
この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 3596です。NGC 3596は、しし座の方向、9000万光年の距離にあります。1784年に天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。
NGC 3596の銀河円盤は地球に対して正面を向いており、渦状腕がはっきりと見えています。渦状腕に沿って、ピンク色の星形成領域や若く青い星団も映っています。
渦巻銀河の渦状腕を構成する星々がずっと同じだと仮定すると、時間の経過とともに腕どうしの間隔が狭くなり巻き込みがきつくなっていきます。しかし実際に存在している銀河を見るとそうはなっていません。
現在では、渦状腕は天体が高密度に存在している領域と低密度の領域のパターンをあらわしていると考えられています。自動車の渋滞のように、銀河円盤にある星やガスなどが渋滞して密度が高くなっているところが渦状腕として見えているとみられています。
画像は、ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年5月5日に公開されました。
(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker
(参照)ESA/Hubble