最新画像処理で蘇った、マリナー10号撮影の金星画像 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

最新画像処理で蘇った、マリナー10号撮影の金星画像

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星探査機マリナー10号がとらえた金星のデータを、最新の画像処理ソフトウェアを用いて再処理したものです。2020年6月8日に公開されました。元の画像は1974年2月7日、8日に撮影されたものです。

1973年11月3日に打ち上げられたマリナー10号は、74年から75年にかけて金星と水星に接近しながら観測をした探査機です。金星への最接近は1974年2月5日でした。

画像には高度約60kmに浮かぶ金星の雲が映っています。金星の雲は水滴や氷晶ではなく、硫酸の粒子で構成されています。この雲粒子はほとんどが白色ですが、赤みを帯びた雲も見られます。青や紫外線の波長の光を吸収する物質が存在するためだとみられますが、その物質の正体はよく分かっていません。

この画像は、オレンジと紫外線のフィルターで撮影した画像を合成したものです。それらを赤と青のチャンネルとして使用し、2枚の画像を組み合わせて合成したものを緑のチャンネルとして使用しています。NASA、JPL(ジェット推進研究所)のエンジニアであるKevin M. Gill氏が、マリナー10号のアーカイブデータから処理したものです。

こちらは冒頭の画像のコントラストを強調したものです。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

https://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA23791