中性子星にはクォークでできた核がある!?

中性子星内部の想像図。Credit: CERN Some rights reserved. Image: Jyrki Hokkanen, CSC – IT Center for Science Ltd., Finland

中性子星は、大質量星が超新星爆発を起こした後に形成される高密度な星です。ふつうの星は原子からできていますが、中性子星は主に中性子からできています。

中性子星の中心部がどのようになっているかについては、自由クォークで満たされているとする説や、ストレンジ・クォークを少なくとも1つ含む「ハイペロン」という粒子でできているとする説など、いくつもの説があります。

CERN(ヨーロッパ原子核研究機構)のAleksi Kurkela氏らの研究チームは、天文観測から得られた情報と理論計算を組み合わせて、大質量の中性子星の核は自由クォークで満たされていることを導き出しました。

陽子や中性子はクォークという素粒子3つから構成されており、3つのクォークはグルーオンという粒子によって結びついています。クォークを陽子や中性子などから単独で取り出すことはできません。ただビッグバンの直後には、クォークやグルーオンがバラバラに飛び回っていたと考えられています。そのような状態のクォークを自由クォークといいます。

Kurkela氏らの研究によると、太陽の1.4倍の質量を持つ中性子星の核は中性子で満たされています。対照的に、質量の大きな中性子星ではクォーク物質の核を持つことができるといいます。たとえば質量が太陽の2倍で半径が約12kmの中性子星は、半径約6.5kmのクォーク物質の核を持っている可能性があるとのことです。

「私たちの分析は、中性子の核を持つ大質量星の存在を完全に否定するものではありません」とKurkela氏はいいます。「しかしクォーク物質の核が風変わりな選択肢ではないことを示しています」

https://home.cern/news/news/physics/neutron-stars-show-their-cores