オシリス・レックスのカプセルから残りのサンプル回収へ。開かないフタを開ける新ツールを製造 | アストロピクス

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オシリス・レックスのカプセルから残りのサンプル回収へ。開かないフタを開ける新ツールを製造

探査機オシリス(オサイリス)・レックスは2023年9月24日、小惑星ベンヌ(ベヌー)のサンプル(試料)が入ったカプセルを地球に届けました。その後、NASA(アメリカ航空宇宙局)のキュレーションチームは、カプセル内のサンプラーヘッドからサンプルを取り出す作業を実施。目標の60グラムをこえる70.3グラムのサンプルが収集されました。

ただ、サンプラーヘッドの35個の留め具のうち2つを取り外すことができず、ヘッド内のサンプルの多くが回収できていませんでした。ヘッドの開封作業は、汚染を避けるために特別なグローブボックス内で行われます。そのグローブボックス内で使用が承認されているツールでは、留め具を取り外すことができなかったのです。10月中旬以降、ヘッドの分解作業は中断されていました。

(参考記事)オシリス・レックス、サンプル採取量の目標達成。ただし留め具が外せず多くはまだ取り出せず。

そこでNASAは、グローブボックス内で使える新しいツールを設計・製造しました。新たなツールは非磁性ステンレス鋼製。これはグローブボックス内での使用が承認されているなかでは最も硬い金属とのことです。またサイズや重量も考慮して製造されました。

キュレーションチームは、今年の春後半にオシリス・レックスのサンプルのカタログを公開し、世界中の科学コミュニティが利用できるようにする予定にしています。

Image credit: NASA/Robert Markowitz

(参照)NASA blog - OSIRIS-REx Mission