宇宙初期の小さな銀河に予想外の大きさのブラックホールが存在していた

銀河中心のブラックホールに対して、近隣の宇宙では親銀河の質量の方がはるかに大きい(右)一方で、遠方宇宙では親銀河とブラックホールの質量がそれほどの違いがないことがわかりました。
銀河中心のブラックホールに対して、近隣の宇宙では親銀河の質量の方がはるかに大きい(右)一方で、遠方宇宙では親銀河とブラックホールの質量がそれほどの違いがないことがわかりました。

天の川銀河のような成熟した銀河では、星の総質量は銀河中心の超巨大ブラックホールの質量をはるかに上回っています。その比率は1000対1ほど。

ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)のFabio Pacucci氏らの研究チームは、遠方銀河では質量の違いが100対1や10対1、あるいは1対1ほどであることを新たに発見しました。ブラックホールの質量が、親銀河の星の質量とほぼ等しい可能性があるのです。

研究チームは、ウェッブ望遠鏡で観測された約120億光年から130億光年の範囲にある21個の銀河を分析しました。これらの21個の銀河の中心には、太陽の数千万倍から数億倍と推定される質量をもつブラックホールが存在します。

近隣にある最近の銀河では、親銀河の質量と中心の超巨大ブラックホールの質量には相関関係があることが知られています。しかし観測の結果、宇宙初期の若い銀河のブラックホールは、近隣の銀河での質量の相関関係から予想されるより10倍から100倍も巨大であることがわかったとのことです。

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宇宙初期のブラックホールは重い「種」から成長したか

銀河中心の超巨大ブラックホールは、より小さな「種」となるブラックホールが合体してできたと考えられています。そのような「種」としては、軽いものと重いものの2つが考えられています。

軽い「種」は、太陽質量の100〜1000倍ほどだったとみられています。それらは宇宙で最初に誕生した巨大な星々が超新星爆発を起こした後にできたと考えられています。

一方の重い「種」は、太陽の1万〜10万倍ほどの質量があったとみられています。このような巨大な「種」は、巨大なガス雲が直接、重力崩壊をして形成されたと考えられています。

研究チームによる今回の発見は、後者の重い「種」から宇宙初期の超巨大ブラックホールができたとする説を支持するものとのこと。シミュレーションや理論計算によると、ブラックホールの質量は、親銀河の恒星の総質量とほぼ同じか、より大きいはずだと予測されているからです。

Image Credit: CfA/Melissa Weiss

(参照)Center for Astrophysics | Harvard & Smithsonian