2023年9月24日、小惑星ベンヌのサンプル（試料）が入ったカプセルが無事、地球への帰還を果たしました。
サンプルカプセルを地球へ届けたのは、NASA（アメリカ航空宇宙局）の小惑星探査機オシリス（オサイリス）・レックス（OSIRIS-REx）。オシリス・レックスは9月24日19時42分（日本時間、以下同じ）、地表から10万2000kmの地点でカプセルを放出、その4時間後の23時42分にカプセルは時速4万4500kmで大気圏に突入しました。
大気圏突入後に減速用パラシュートが展開され、23時47分にはメインパラシュートが展開されました。そして23時52分、カプセルは時速約18kmまで減速して、アメリカ、ユタ州にある国防総省の試験訓練地域に着陸しました。
着陸地域内の仮設クリーンルームへ
着地から20分以内に、ヘリコプター回収チームが着陸地点に到着。アメリカ空軍の専門家による安全確認が行われたのち、ロッキードマーティン社の技術者による作業を経て、カプセルは梱包されて試験訓練地域内に設けられた仮設クリーンルームへ運ばれました。
仮設クリーンルームで、カプセルは分解されてパーツごとに梱包され、25日にはヒューストンにあるNASAジョンソン宇宙センターへ航空機で輸送される予定になっています。
探査機は新たなミッションへ
2016年9月に打ち上げられたオシリス・レックスは、2018年12月にベンヌに到着。2020年10月にサンプルを採取したのち、2021年5月にベンヌを出発して地球へ向かっていました。
なおカプセルを放出した探査機は、新たな目的地である小惑星アポフィスへ向けて出発しました。それに伴い、ミッションの名称がオシリス・レックス（OSIRIS-REx）からオシリス・エイペックス（OSIRIS-APEX）に変更されました。
Image Credit: NASA/Keegan Barber
