多波長でみた小マゼラン銀河の星団「NGC 346」 | アストロピクス

多波長でみた小マゼラン銀河の星団「NGC 346」

この画像は、小マゼラン銀河にある星団「NGC 346」とその周囲にある星雲「N66」をとらえたものです。小マゼラン銀河は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)で、地球から20万光年ほどの距離にあります。

画像はX線と可視光、赤外線のデータを合成したものです。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とチャンドラX線望遠鏡の画像に、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のXMM-Newton、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のNTT(新技術望遠鏡)、ハッブル宇宙望遠鏡やスピッツァー宇宙望遠鏡のデータも使われています。

ウェッブ望遠鏡は、星や惑星の材料となるガスや塵の雲を映し出しています。画像左側の紫色の雲はチャンドラ望遠鏡でとらえられたもので、巨大な星の超新星爆発の残骸です。チャンドラのデータからは、強力な星風を吹きだす若くて高温の大質量星も明らかになりました。

2023年5月23日、主にチャンドラX線望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のデータを組み合わせた新しい画像が4点、NASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで公開されました。今回紹介したNGC 346の画像は、そのうちの1点です。

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; IR/Optical: NASA/ESA/CSA/STScI, NASA/ESA/STScI; IR/Optical/X-ray overlay: NASA/JPL/CalTech/Spitzer, ESO; ESA/XMM-Newton; Image Processing: L. Frattare, J. Major, and K. Arcand

(参照)Chandra X-ray ObservatoryNASA