中性子星表面の「山」はわずか1mm足らず!?

中性子星は、質量の大きな星が進化の最終段階で超新星爆発起こした後に残る星で、太陽と同じくらいの質量がありながら、大きさは10km程度しかなく、非常に高密度な天体です。中性子星は非常にコンパクトで地球の約10億倍もの引力があるため、表面のあらゆるものが押しつぶされて、ほぼ完全な球体になっています。

地球の山と比べると数十億分の1ほどしかない低いものではありますが、中性子星の表面のわずかな変形は「山」と呼ばれます。イギリス、サウサンプトン大学のFabian Gittins氏らの研究チームは、コンピューターモデルを用いて中性子星を作り、山がどのようにしてできるのかを検討しました。研究チームはまた、最大の山の高さが、これまでの推定値の100分の1ほどの1mm足らずであることを見出したとのことです。

回転する中性子星がわずかに変形していて「山」があると、重力波が生じると見られています。単一の中性子星の自転による重力波はまだ観測されていません。高感度の検出装置の将来的な進展が、このような特異な天体の謎を解くことにつながるかもしれません。

Image Credit: ESO/L. Calçada

(参照)The Royal Astronomical Society