クチバシの長い鳥のような形をした二つの銀河 | アストロピクス

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クチバシの長い鳥のような形をした二つの銀河

この画像にはNGC 5394(画面右下)とNGC 5395という二つの銀河が映っています。二つの銀河は、互いの重力によって影響を与え合う相互作用銀河で、りょうけん座の方向、約1億6000万光年の距離にあります。画像はハワイ島のマウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡で撮影されました。

これらの銀河は、かつて少なくとも一度は衝突したことがあると考えられています。銀河の衝突は、非常に長い時間をかけて進行します。そして重力の影響により銀河は奇妙な形に変形していきます。

銀河どうしの相互作用の副産物として、互いの銀河の水素ガスが合体することにより圧縮され星形成領域が形成されます。この画像では、大きな銀河内にリング状に分布している赤っぽいガスのかたまりが、そのような星形成領域です。そのような領域は小さい銀河にもいくつかみられます。また大きな銀河では、塵がリング状に暗くみえています。

海外ではNGC 5394とNGC 5395を合わせて「Heron Galaxy」とも呼ばれています。heronとは鳥の「鷺(サギ)」のこと。大きな銀河が鳥の体で、小さな銀河が頭、そして小さな銀河のゆるんで伸びた渦状腕が鷺の長いクチバシ、そしてその長いクチバシで、画面下に映っている遠方にある銀河を捕食しているように見立てられているのです。

Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA

(参照)NOIRLab