ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団NGC 288。ちょうこくしつ座の方向、約3万光年の距離にあります。
天の川銀河には球状星団が150個ほど知られていますが、それらの多くは中心部に星が密集しています。しかしNGC 288は、星々の重力的な結びつきがよりゆるく密集度の低い数少ない球状星団の一つです。ハッブル宇宙望遠鏡がNGC 288の中心部を撮影したこの画像でも、一つ一つの星がはっきりと区別できます。NGC 288のような低密度の球状星団では密度の高い星団とは異なり、いずれは散り散りになってしまうかもしれないと考えられています。
画像に映る星の色や明るさによって星のタイプが分かります。多く見られる暗い星々は、太陽と同じように水素の核融合で輝いている普通の低質量星です。明るい星のうち、黄色い星は老齢になって膨らんだ赤色巨星です。明るく青い星は赤色巨星の段階を抜け、中心部でヘリウムの核融合が起きているさらに大質量の星です。
画像は2011年3月14日にリリースされたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA
(参照)ESA/Hubble