新月のたびに日食が起こらないのはなぜ? | アストロピクス

新月のたびに日食が起こらないのはなぜ?

日食は、月が太陽の手前を通り過ぎることで太陽を隠す現象です。太陽の一部が隠れる部分食、太陽全体が隠れる皆既食、月のまわりに太陽がはみ出してみえる金環食があります。

日食は太陽と月、地球がほぼ一直線に並び、月の影が地球に落ちることで発生します。地球に落ちた月の影の中から見ると、太陽が隠れて見えるのです。

日食は新月のときにしか起こりません。新月は、地球から見て太陽と月が同じ方向にあるときに起こります。新月は約29.5日ごとにやってきますが、新月だからといって必ず日食が起きるわけではありません。

それは、地球をまわる月の軌道面が、地球の公転軌道面から5度ほど傾いているからです。そのため、新月のときに月の影が地球に落ちるときと落ちないときがあるのです。満月のたびに月食にならないのも同じ理由です。

冒頭の画像は、こちらの映像の1場面です。

真上から見て、月の影が地球に落ちているようにみえても、横から見ると冒頭の画像のように影が地球に落ちていないことがあるのです。

Credit: アストロピクス(NASA/JPLの資料をもとに編集部で作成)
Credit: アストロピクス(NASA/JPLの資料をもとに編集部で作成)

太陽を中心に見ると、この図のようになります。月の軌道が地球の公転軌道面と交わる付近に月がいるときにしか、日食は起こりません。画像左のケースでは地球の軌道面より月が上にあり、右のケースでは地球の軌道面より月が下にあるため、月の影が地球に落ちずに日食は起こりません。

(参考記事)満月のたびに月食が起こらないのはなぜ?

Main Image Credit: NASA's Scientific Visualization Studio

(参照)NASA's Scientific Visualization Studio