この画像は、地球から約3400光年の距離にあるペガスス座LL星とその周りに見られる渦巻きを、アルマ望遠鏡がとらえたものです。この渦巻きは、ペガスス座LL星とその伴星からなる連星系が作り出しています。
太陽と同じ程度の質量の星は、晩年になると膨らんで赤色巨星になります。赤色巨星はやがて外層のガスを宇宙空間へ放出します。ペガスス座LL星は、直径が太陽の200倍以上に膨らんでガスを放出している赤色巨星です。画像に映る渦巻きは、放出されたガスが放つ電波をアルマ望遠鏡がとらえたものです。
渦巻きの間隔から、連星系は約800年で互いを回っていると推定されています。またシミュレーションから、このような渦巻き模様ができるには、連星の軌道が非常に細長い楕円である必要があると考えられています。
冒頭の画像が公開されたのは2017年のことでしたが、ペガスス座LL星の渦巻きは、その10年ほど前にハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されていました。またアルマ望遠鏡により、ちょうこくしつ座R星の周りの渦巻きが撮影されたこともあります。
こちらの画像は、アルマ望遠鏡の画像をハッブル宇宙望遠鏡が撮影したペガスス座LL星の画像と合成したものです。
この動画は、ペガスス座LL星の周囲の渦巻きの立体構造を示したものです(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO) / H. Kim et al.)。左はアルマ望遠鏡の観測データをもとに推定された構造で、右は理論モデルによるものです。両者の形はほぼ一致しています。
Main Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/H. Kim et al.