ハッブルがとらえたバブル星雲 〜 30 Years, 30 Images #26(2016年)

画像に映るまるで泡のようなこの天体は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したNGC 7635です。その形から「バブル星雲」と呼ばれています。カシオペヤ座の方向、7100光年の距離にあります。

この星雲は、画像中央左に見える明るい星から吹き出す恒星風によって作られました。太陽の45倍以上の質量があるその星から、時速640万km以上で恒星風が吹き出しています。恒星風が星間ガスをはき集めることでバブルような形になりました。

画像左上には、塵が混じった高密度ガスからなる柱状の構造が見えています。バブルの向こう側にも、正面から見た柱状の構造が映っています。

バブル星雲は1787年、ドイツ出身のイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。星雲を作る星の年齢は400万歳で、大質量のため寿命が短く、1000万~2000万年後には超新星爆発を起こす可能性があります。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。

冒頭の画像はその26枚目のもので、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ26周年を記念して2016年4月にリリースされた画像です。

Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)

https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49577596682/in/album-72157713228021437/

https://hubblesite.org/contents/media/images/2016/13/3725-Image.html