火星の「偵察衛星」がとらえた火星の「脳地形」

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が撮影したもので、火星の「脳地形(brain terrain)」と呼ばれる地形が映っています。脳のひだに似ていることから、そのように呼ばれるようになりました。脳地形の形成には、地下にある水や氷が関係している可能性があるかもしれません。

画像の脳地形は、タルシス三山の南、クラリタス・フォッサ地域のクレーターの底に見られるものです。そのクレーターでは、底の一部が脳地形で覆われています。

画像を掲載したアリゾナ大学のウェブページによれば、このような画像は、火星の過去の気候や、近隣のクレーターどうしで脳地形のあらわれ方がわずかに異なる理由を理解するのに役立つとのことです。

なおマーズ・リコネッサンス・オービターの「リコネッサンス(reconnaissance)」とは「偵察」の意味です。マーズ・リコネッサンス・オービターはその名にたがわず、高解像度で火星の観測を続けています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2022年9月4日に撮影されたもので、2024年11月12日のHiPODとして紹介されました。

(参考)「マーズ・リコネッサンス・オービター」関連記事

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE