金星探査機「あかつき」運用を終了 | アストロピクス

金星探査機「あかつき」運用を終了

2025年9月18日、日本の金星探査機「あかつき」の運用終了がJAXA(宇宙航空研究開発機構)から発表されました。

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8年以上、金星大気を観測してきた

2010年5月21日に打ち上げられた「あかつき」は当初、同年12月7日に金星の周回軌道に入る予定でした。しかしメインエンジンの不具合により周回軌道へ投入できず、太陽を周回することになりました。

その後、2015年12月9日に再び金星周回軌道への投入を試みて成功。それ以来、8年以上にわたり金星大気の観測を続けてきました。

金星の自転周期は243日と非常にゆっくりと自転しています。その一方で金星上空の風は4日間で金星を1周します。自転速度に対して非常に速い風は「スーパーローテーション」と呼ばれています。「あかつき」は、このスーパーローテーションの維持メカニズムの解明などの成果を上げてきました。

2024年春に通信が途絶。それ以来、復旧運用が続けられてきましたが、復旧がみこめず、すでに設計寿命を大幅にこえていることもあり、運用を終了することになりました。

冒頭の動画は、「あかつき」が紫外線で撮影した金星の擬似カラー画像をまとめたものです。カラー画像は波長283nmと365nmの画像をもとに編集部で作成しました(Image Credit: ISAS/JAXA; 画像・動画制作: Noriaki Okamoto)。

(参考)
金星探査機「あかつき」が通信途絶
金星探査機「あかつき」の撮影データを利用して疑似カラー画像を作ってみよう!

(参照)JAXA