ドーン探査機が離脱直前に撮影した小惑星ベスタ

NASA(アメリカ航空宇宙局)のドーン探査機がとらえた小惑星ベスタ。ドーン探査機は2011年7月16日から2012年9月5日までベスタを周回しながら観測を行い、その後、準惑星ケレス(セレス)に向かいました。画像はドーンがケレスへ出発する直前の2012年8月26日にベスタの北極付近を撮影したものです。

ベスタは小惑星帯で準惑星ケレスに次いで質量の大きな天体で、小惑星全ての総質量のほぼ9%を占めています。他の小惑星とは異なり、内部が核、マントル、地殻に分化しています。

またベスタは、表面の明暗の幅が広いことでも知られています。表面の明るい物質は元からあった岩石で、暗い物質は後からベスタに衝突した小惑星が堆積したものと考えられています。ドーンのチームの科学者は、過去35億年間に直径1〜10kmの暗い小惑星が300個、ベスタに衝突したと推定しています。

過去10億年の間に、ベスタは大規模な衝突によって質量の約1%を失ったと考えられています。その結果、直径約500kmのレアシルヴィア(Rheasilvia)・クレーターが形成されました。小惑星のベスタ族は、おそらくこの衝突の破片だろうと見られています。

(参照)Planetary PhotojournalNASA Solar System Exploration