アストロピクスでは昨晩、日欧共同の水星探査機ベピコロンボが金星フライバイの際に撮影した画像を紹介しました。この動画はその後に公開されたもので、ベピコロンボの金星最接近前後のようすがとらえられています。
ベピコロンボは10月15日12時58分(日本時間、以下同じ)に金星へ最接近しました。最接近時、ベピコロンボは金星表面から約1万720kmまで近づきました。一連の画像は、最接近の40分前から15分後までの間に、52秒ごとに撮影された64枚の画像をつなげたものです。電気推進モジュールMTM(Mercury Transfer Module)に設置されたモニタリング・カメラで撮影されました。画像右下にUTC(協定世界時)での時刻表示がありますが、日本時間にするには9時間をプラスしてください。
画像右から左へ動いていく金星をよく見ると、金星の昼と夜の境界線の形が変化しています。これはベピコロンボの軌道が金星の昼側から夜側にかけてカーブしていることを示しています。
ベピコロンボは、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)と、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)という2機のオービターで水星の観測を行うミッションです。「みお」とMPO、そしてMTMが結合した状態で水星に向かっています。
2018年10月に打ち上げられたベピコロンボは、2020年4月に地球でフライバイを行いました。2025年後半の水星到着に向け、ベピコロンボは地球、金星、水星で合計9回フライバイを行います。今回はそのうちの2回目(金星では1回目)のフライバイでした。2021年8月に2度目の金星フライバイ、2021年10月には水星での最初のフライバイが行われる予定です。
Image Credit: ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO
(参照)ESA