水星探査機ベピコロンボ、間近から金星を撮影! 2回目の金星フライバイ時の画像が公開された | アストロピクス

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水星探査機ベピコロンボ、間近から金星を撮影! 2回目の金星フライバイ時の画像が公開された

Credit: ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO
Credit: ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO

日欧共同の水星探査ミッション「ベピコロンボ」は、2021年8月10日に金星でのフライバイ(スイングバイ)を行いました。画像はその際に撮影されたもので、画面左側に大きく金星が映っています。

ベピコロンボは8月10日22時51分54秒(日本時間、以下同)に、金星から552kmの距離まで接近しました。画像はその約6分後の22時57分56秒、ベピコロンボの電気推進モジュールMTM(Mercury Transfer Module)に設置されているモニタリング・カメラ3で撮影されたものです。撮影時、ベピコロンボは金星から1573km離れていました。

なお、ベピコロンボの金星フライバイは今回が2回目です。前回(2020年10月15日)は金星に約1万720kmまで近づきました。2回目の今回は1回目と比べて金星にかなり接近しており、画像に映る金星も、前回のフライバイ時に撮影された画像と比べると非常に大きく映っています。

ベピコロンボは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)と、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)という2機のオービターで水星の観測を行うミッションです。「みお」とMPO、そして電気推進モジュールが結合した状態で水星に向かっています。冒頭の画像の左上には、MPOのハイゲイン・アンテナと本体の一部が見えています。

Credit: ESA/ATG medialab
Credit: ESA/ATG medialab

この画像は、水星へ向かうベピコロンボの構成を示したものです。上からMPO、サンシールド、「みお」、電気推進モジュールです。

Credit: ESA/ATG medialab
Credit: ESA/ATG medialab

こちらは今回の金星フライバイの想像図です。ベピコロンボは「みお」やMPO、MTMなどがこのように結合した形で水星へ向かっています。

ベピコロンボは水星の周回軌道に入る前に、地球で1回、金星で2回、水星で6回、全9回のフライバイを行います。今回の金星フライバイはそのうちの3回目でした。2021年10月初めには水星での最初のフライバイを予定しています。2025年に水星へ到達し、「みお」とMPOは水星の周回軌道に投入される予定です。

(参照)ESA