南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)のパラナル天文台で撮影された写真です。地上には望遠鏡のドームが、空には星や星雲など色とりどりの天体が映し出されています。
ESOのVLT(超大型望遠鏡)は、口径8.2mの四つの望遠鏡(ユニット・テレスコープ、UT)と、口径1.8mの四つの可動式補助望遠鏡(AT)で構成されています。写真中央に大きく映っているのはUTの一つ「Antu(UT1)」です。「Antu」とは、チリの先住民族の言葉で「太陽」を意味します。Antuの右側には3台のATも映っています。
夜空には天の川がかかっています。Antuの上に見える最も明るい星は、おおいぬ座のシリウスです。その左にオリオン座が見えます。オリオン座の赤い星はベテルギウス。Antuのすぐ左上には、こいぬ座のプロキオンも映っており、冬の大三角がきれいに見えています。オリオン座の左上の方には、おうし座のプレアデス星団(すばる)があります。
それら以外にも、カリフォルニア星雲やガム星雲、カリーナ星雲、南十字星なども見ることができます。またAntuのドームも右側には、大気重力波によって発生した、緑色のうっすらとした縞模様が見えています。
2020年9月28日にリリースされたESO(ヨーロッパ南天天文台)の「今週の1枚(Picture of the Week)」の画像です。
なお、ここで紹介している画像は低解像度のものです。オリジナルの画像ファイルは18,071×9,811ピクセルあり、ファイルサイズは227.5MBにもなります。この画像を紹介しているESOのウェブページでは、ピンチアウト・インなどによって画像をスムーズに拡大・縮小しながら鑑賞できるページが用意されています。興味のある方は、リンク先のページから「Zoomable」のページへ飛んでみてください(念のためWi-Fi環境が良いかもしれません)。
Image Credit: P. Horálek/ESO
(参照)ESO