頭蓋の中の脳!? ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた星雲「PMR 1」 | アストロピクス

頭蓋の中の脳!? ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた星雲「PMR 1」

これらの画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたもので、「PMR 1」という星雲が映っています。PMR 1はガスと塵の雲で、「露出した頭蓋(Exposed Cranium)」という、少し不気味な感じのニックネームが付けられています。まるでCTで撮影した頭蓋の中の脳のようにも見える外観をしています。1枚目はウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)、2枚目はMIRI(中間赤外線装置)で撮影されました。

スポンサーリンク

星が死にゆく瞬間をとらえたか

PMR 1の最外層の殻は星から最初に吹き飛ばされたガス(主に水素)で構成されており、その内側にさまざまなガスが混ざり合った複雑な構造が見られます。NIRCamとMIRIの画像のどちらにも、星雲の中央を縦に走る暗い領域が映っており、それによりまるで脳のような半球構造となっています。ウェッブ望遠鏡の観測から、その暗い帯は中心星からのアウトバーストあるいはアウトフローと関連している可能性が示唆されています。それらは通常、双極のジェットがそれぞれ反対方向へ噴出することで発生します。

恒星は水素を燃料とした中心部での核融合反応のエネルギーによって輝いています。PMR 1については不明な点が多いのですが、中心部での燃料が尽きかけて晩年に近づいた星によって形成されたことははっきりしています。星は死に近づくと外層のガスを宇宙空間へと放出します。ウェッブは星が死にゆくその瞬間をとらえたものとみられます。

PMR 1が最終的にどうなるのかは、まだ知られていない中心星の質量によります。質量が大きければ超新星爆発を起こしますし、太陽程度の質量であれば惑星状星雲になり、やがて中心星は高密度の白色矮星となって数億年かけて冷えていきます。

(参考)「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」関連記事一覧

Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Image Processing: Joseph DePasquale (STScI)

(参照)ESA/WebbNASA