
太陽系外からやってきた恒星間天体アトラス彗星(3I/ATLAS)を、すばる望遠鏡が撮影した画像が公開されました。すばる望遠鏡はハワイ島、マウナケア山頂付近に設置されている口径8.2mの巨大望遠鏡です。
画像は、すばる望遠鏡に搭載されているFOCAS(光天体分光撮像装置)で、2025年12月13日(ハワイ現地時間)に撮影されました。Vバンド(波長 550ナノメートル)、Rバンド(波長660ナノメートル)、Iバンド(波長 805ナノメートル)で撮影された画像に青、緑、赤を割り当てて色合成したものです。
撮影時、アトラス彗星は地球から約2.7億km離れたところにありました。2.7億kmというと、太陽から地球までの距離の約1.8倍に相当します。撮影当時は12月19日の地球への最接近を目前に控えた時期でした。
アトラス彗星は2025年7月1日、ATLAS(小惑星地球衝突最終警報システム)での観測によって最初に報告されました。2017年のオウムアムア(1I/ʻOumuamua)、2019年のボリソフ彗星(2I/Borisov)に次ぐ3例目の恒星間天体です。太陽を楕円軌道で周回する彗星とは異なり、アトラス彗星は双曲線軌道で運動しています。太陽に最接近した後は2度と戻ってくることはありません。
(参考)
恒星間天体アトラス彗星をハッブル望遠鏡が再び観測
恒星間天体アトラス彗星を取り巻くガスからの淡いX線 日本のX線衛星XRISMが観測
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Image Credit: 国立天文台
(参照)すばる望遠鏡

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