赤く輝く散光星雲NGC 6820と青白く輝く散開星団NGC 6823 ジェミニ北望遠鏡が撮影 | アストロピクス

赤く輝く散光星雲NGC 6820と青白く輝く散開星団NGC 6823 ジェミニ北望遠鏡が撮影

この画像に映し出されているのは、こぎつね座の方向、約6000光年の距離にある散光星雲「NGC 6820」と、その中に埋め込まれるように輝く散開星団「NGC 6823」です。画像はハワイ島、マウナケア山頂付近にあるジェミニ北望遠鏡で撮影されました。

画像の大部分を占める赤色の雲は、若い星々からの強烈な紫外線を受けた水素ガスが電離して輝いているものです。その中でNGC 6823の星々が青白く輝いています。

画像には、ガスと塵からなる柱状の構造が暗く見えています。これは、大質量の星々から吹き出す放射や星風によって周囲の物質が吹き払われ、密度の高い領域が残ったものです。

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ハワイの高校生が天体の選定や画像の命名を行った

1999年6月にファーストライトを迎えたジェミニ北望遠鏡は、2000年11月にファーストライトを迎えた南半球のジェミニ南望遠鏡とともに、四半世紀にわたり宇宙の謎を解き明かしてきました。今回の画像は、南北の望遠鏡がそろってから25年の節目を記念したものです。

冒頭の画像には「Ua ʻŌhiʻa Lani」という名前が付けられています。これはハワイ語で「天のオヒアの雨」を意味します。画像に関しては、ジェミニ天文台のインターンシップに参加したハワイの4人の高校生が撮影する天体の選定や、撮影された画像の命名などを行いました。4人は、ハワイの伝統的な物語に着想を得てその名前を選定したとのことです。

なお25周年を記念した画像は、ジェミニ南望遠鏡で撮影した惑星状星雲「バタフライ星雲」の画像も別途公開されました。そちらもアストロピクスで紹介済みですのであわせてご覧ください。→「ジェミニ南望遠鏡がとらえたバタフライ星雲 観測25周年記念

Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA
Image Processing: J. Miller & M. Rodriguez (International Gemini Observatory/NSF NOIRLab), T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), M. Zamani (NSF NOIRLab)

(参照)NOIRLab