ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、6億光年先の銀河で発生したIa型超新星 | アストロピクス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、6億光年先の銀河で発生したIa型超新星

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、ふたご座の方向、約6億光年離れたところにある銀河が中央付近に映っています。画像は、この銀河で「SN 2022aajn」という超新星が発見された約2か月後に撮影されたもので、その超新星が画像中央に青い点として見えています。

SN 2022aajnは「Ia型」の超新星です。Ia型は、高密度の白色矮星が伴星からガスを吸い寄せ、質量が限界に達したときに大爆発するタイプの超新星です。明るさの最大値がほぼ一定なので、最も明るいときの絶対等級を求めて見かけの明るさと比べることで距離を測定できます。

超新星は遠くにあるほど暗く、またより赤く見えます。ただ、銀河間塵の影響でも同じように暗く赤く見えることがあります。

ハッブル望遠鏡のウェブページによれば、ハッブル望遠鏡を使ったとある研究では、紫外線から近赤外線までの7つの波長帯で、合計100個のIa型超新星を調査しています。冒頭の画像は、その調査の一環で撮影されたもの。異なる波長で得られた明るさを比較することで塵の影響を計算し、測定精度を向上させることができるとのことです。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年1月27日に公開されました。

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. J. Foley (UC Santa Cruz)

(参照)ESA/Hubble