この画像に映っているのは、「ほ座超新星残骸」の一部のクローズアップです。ほ座超新星残骸は、超新星爆発から1万1000年ほど経過した残骸で、地球から800光年ほどの距離にあります。画像は、南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台のVST(VLTサーベイ望遠鏡)で撮影されました。
画像には、ピンク色とオレンジ色のフィラメント状の雲が映し出されています。ピンク色の胴体にオレンジ色の翼が広がり、宇宙を舞う鳥の幽霊ようにもみえます。ピンク色に輝く星が、ちょうど目のようにみえています。
フィラメント状の構造は、超新星爆発で発生した衝撃波が周囲のガスを圧縮して作り出したものです。その際、ガスが加熱されて明るく輝きます。
画像は2024年1月15日に、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。
アストロピクスでは、VSTで撮影されたほ座超新星残骸の、より広範囲が映る画像を紹介したことがあります。冒頭の画像の領域も映っていますので、探してみてください。→(参考記事)地球に最も近い残骸の一つ「ほ座超新星残骸」の超高解像度画像
Image Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: CASU
(参照)ESO