超新星爆発などにより銀河の外へ放出された星の残骸は、再び銀河へと舞い戻り次の世代の星の材料となります。国際研究チームが110億年前の巨大銀河を観測し、そのような星の輪廻転生を通して成長する巨大銀河の様子をとらえました。
研究チームは、ケック望遠鏡とすばる望遠鏡の観測データから、銀河周辺の30万光年の範囲で水素、ヘリウム、炭素を検出。さらにそれらの元素の比が太陽と同程度であることがわかりました。このことは、銀河の周囲のガスが、星の核融合で生成された重元素を含んでいることを示しています。
さらに研究チームは銀河の周囲のガスの動きをシミュレーションと比較し、1年間に太陽700個分相当のガスが銀河に還流していることを突き止めました。これは銀河の星形成の速度(1年間に太陽81個分の質量の星が誕生)をはるかに上回るもので、ガスの再利用だけで星生成を維持して銀河の成長をうながすことができることを示しています。【1分で読む宇宙ニュース】