この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した球状星団NGC 2419です。NGC 2419は、やまねこ座の方向、約30万光年の距離にあります。
球状星団は数万〜数百万個の星が球状に集まった星団です。天の川銀河には160個ほどの球状星団の存在が知られており、それらは天の川銀河を中心に周回しています。
球状星団を構成する星々はほぼ同時に形成されたため、似たような性質を示す傾向があり、星々ののヘリウム含有量も例外ではないとみられています。ただNGC 2419では、それが当てはまるとは限らないことがハッブル望遠鏡の観測から分かりました。
NGC 2419には、赤色巨星の2つの異なる集団が存在しており、一方のグループの赤色巨星にはヘリウムが非常に豊富に含まれています。そしてヘリウムに富む星は主に球状星団の中心付近にあることも分かりました。
異なる2つのグループは一緒に形成されたのか? ハッブル望遠鏡によるNGC 2419の観測は、球状星団の形成について疑問を投げかけました。
画像はハッブル宇宙望遠鏡のサイト(ESA)で2019年2月25日に公開され、2023年4月7日にNASA(アメリカ航空宇宙局)がウェブページで改めて紹介したものです。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, S. Larsen et al.
(参照)NASA、ESA/Hubble