ウェッブ望遠鏡が中間赤外線でとらえた棒渦巻銀河NGC 1365

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がMIRI(中間赤外線装置)を使い中間赤外線でとらえた棒渦巻銀河NGC 1365。銀河のガスや塵が映し出されています。先日紹介した棒渦巻銀河NGC 1433NGC 7496の画像と同じく、「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプロジェクトの一環で撮影された画像です。

MIRIでNGC 1365をとらえたこの画像では、若い星がエネルギーを放出することで形成された泡状の空洞や殻状のフィラメントを、形成中の星からの光を吸収したガスや塵が放出した赤外線が照らしています。

またウェッブ望遠鏡のすぐれた解像度により、銀河の中心核からそれほど遠くないところにある非常に明るい星団や、渦状腕につながる棒構造の外縁部に沿って最近形成された星団なども見えています。

NGC 1365は、ろ座の方向、地球から約5600万光年の距離にあります。現在知られているなかで最も大きな銀河の1つで、天の川銀河の2倍ほどの直径があります。また「Great Barred Spiral Galaxy」とも呼ばれ、棒渦巻銀河の好例としても知られています。

こちらはESO(ヨーロッパ南天天文台)ラ・シヤ天文台にあるデンマーク1.54m望遠鏡で撮影されたNGC 1365の全体像。Image Credit: ESO/IDA/Danish 1.5 m/ R. Gendler, J-E. Ovaldsen, C. Thöne, and C. Feron.

こちらはハッブル宇宙望遠鏡がとらえたNGC 1365の中心付近の画像です。Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team、Acknowledgement: Judy Schmidt (Geckzilla)

Main Image Credit:
SCIENCE: NASA, ESA, CSA, Janice Lee (NOIRLab)
IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI)

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb