棒渦巻銀河NGC 1097の中心部のリング 最新赤外線カメラで撮影

ろ座の方向、約4500万光年の距離にある棒渦巻銀河NGC 1097の中心部には、リング状の構造が存在しています。この画像は、そのリング構造の詳細を赤外線で撮影したものです。ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台にあるVLT(超大型望遠鏡)に搭載された「ERIS(Enhanced Resolution Imager and Spectrograph)」という最新観測装置の赤外線カメラNIXを使い撮影されました。

画像ではNGC 1097の中心部のリングが、これまでに例がないほど詳細にとらえられています。リングにはガスと塵が多く存在しています。またリングに散在する明るい点は星々が生まれつつある場所です。画像中央の明るい銀河中心では超巨大ブラックホールが活動しています。

ESOのVLTは、口径8.2mの4台のユニット望遠鏡(UT)と、口径1.8mの4台の補助望遠鏡からなります。ERISはUTの1つUT4「Yepun(先住民族の言葉で金星の意)」に取り付けられています。ERISは2022年2月に最初の試験観測が行われ、8月と11月に装置の限界を試すためにさらなる観測が行われました。その際に観測された天体の1つが、NGC 1097の中心部のリング構造でした。

こちらはERISで撮影したNGC 1097の中心部の画像を、これまでVLTに搭載されてきた「NACO」という観測装置で撮影した画像(左)と比較したものです。どちらも補償光学によって大気のゆらぎを補正していますが、ERISの方がより鮮明に映し出されていることが分かります。

参考記事:ろ座の棒渦巻銀河NGC 1097の中心部 ハッブル望遠鏡が撮影

Image Credit: ESO/ERIS team

(参照)ESO