この画像は、大マゼラン銀河にある「タランチュラ星雲」として知られる星形成領域「かじき座30」をとらえたものです。ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)とVSITA望遠鏡で撮影した画像の上に、アルマ望遠鏡で撮影した画像が合成されています。
こちらはVLTとVISTAが赤外線でとらえた背景画像です。明るい星と赤みがかった高温ガス雲が映っています。
こちらはアルマ望遠鏡が電波でとらえた画像です。赤〜黄色の領域は低温で高密度のガス領域で、そこでは星が形成される可能性があります。
荒れ狂う大質量星の影響のもとで残る高密度なガス雲
大質量星は、強烈な紫外線によって周囲のガスを電離したり、星風によって周囲のガスを吹き払ったりします。このように大質量星が周囲のガス雲に影響を与える現象は「フィードバック」と呼ばれます。星はガスが重力によって集まることで形成されますが、フィードバックによってガスがなくなると星形成がストップします。
かじき座30の中心部では、50万個もの高温の若い大質量星を含め、多くの恒星や原始星が誕生しています。太陽の150倍以上の質量をもつ、知られている中で最も質量の大きな星も存在しています。ここではフィードバックの影響が重力に勝り、星形成率が低下していると見られていました。
しかしアルマ望遠鏡の観測から、フィードバックが非常に活発な激しい環境の中でも、ガスが密集している領域があり、重力が重要な役割を果たしていることが分かりました。また高密度の領域がランダムにあるのではなくフィラメント上に配置されていることも明らかになりました。