死にゆく星が作り出した儚い泡

この画像は、しし座にある惑星状星雲「EGB 6」をとらえたものです。まるで巨大な泡が宇宙に浮かんでいるかのようにみえます。

泡の正体は、星から放出されたガスです。太陽の1〜8倍程度の質量の恒星は年老いると赤色巨星となり、やがて星の外層のガスが離れて周囲へ放出されていきます。放出されたガスが中心星からの紫外線を受けて輝くのが惑星状星雲です。

恒星の寿命に比べると惑星状星雲の状態にあるのは非常に短期間です。いずれ惑星状星雲となる恒星の寿命は質量によって3000万〜100億年ほどですが、惑星状星雲である期間はわずか2万年ほどしか続かない儚い存在なのです。

画像はアメリカ、キットピーク国立天文台の口径4mメイヨール望遠鏡で撮影されました。NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2022年4月13日にリリースされた「Images of the Week」です。

Credit:
KPNO/NOIRLab/NSF/AURA
Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)

(参照)NOIRLab