ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた棒渦巻銀河M91。M91は、かみのけ座の方向、地球から約5500万光年の距離にあります。
M91の中心部には超巨大ブラックホールが存在しています。ハッブル宇宙望遠鏡のアーカイブデータを用いて2009年に行われた研究によれば、その超巨大ブラックホールの質量は太陽の960万〜3800万倍であることが分かりました。ちなみに私たちの太陽系を含む天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホールの質量は太陽の約400万倍といわれているので、M91の超巨大ブラックホールは天の川銀河の2.5〜10倍ほどの質量をもっていることになります。
画像は最近になってから、ハッブル宇宙望遠鏡による大規模銀河サーベイ(「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」)の一環で撮影されたものです。電波望遠鏡であるアルマ望遠鏡のデータとともに、低温ガスとそこで生まれる若い恒星との関係を調べることが目的の観測です。
画像は2022年4月11日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team
(参照)ESA/Hubble