この画像は、離れたところから同時に撮影された2枚の太陽画像を赤青メガネで見ることができる3D画像(アナグリフ画像)に加工したものです。元の画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽観測機STEREOで2007年5月1日に撮影されました。
STEREOは2006年10月に打ち上げられた太陽観測機で、同じ観測機器を搭載した2機から構成されています。2機の観測機は地球の公転軌道に近い軌道で太陽を周回し、1機(STEREO-A)は公転軌道がわずかに太陽に近いため地球より先行、もう1機(STEREO-B)は公転軌道がわずかに太陽から遠いため地球より遅れて公転します。異なる場所に位置する2機から同時に太陽を観測することで、太陽の立体像を得ることができるのです。なお現在はSTEREO-Aのみが運用されています。
冒頭の画像はSTEREO-AとSTEREO-Bそれぞれが撮影した画像を3D画像に加工したものです。どちらも17.1ナノメートルの極端紫外線で撮影したもので、中央付近に活動領域が映っています。赤青メガネをお持ちの方はぜひご覧になってみてください。なお17.1ナノメートルの極端紫外線では、温度が60万度の領域がとらえられています。
これらは3D画像の元になった画像で、上がSTEREO-A、下がSTEREO-Bで撮影されたものです。
なお編集部で試してみたところ、赤(左目)と青(右目)、赤(左目)と緑(右目)の組み合わせであれば立体に見えました。また赤や青などのセロファンを購入して自作する場合、それぞれ二重にすると見やすくなるかもしれません。
Image Credit: NASA/STEREO
(参照)STEREO