NASA・JPL(ジェット推進研究所)によると、2021年に地球へ接近する小惑星の中では最大の天体が、3月21日(日本時間22日)に地球へ最接近するとのことです。
接近するのは2001年に発見された「2001 FO32」と呼ばれる地球近傍小惑星(NEA)です。NEOWISEの観測から、この小惑星の直径は440〜680mと見られています。最接近時の地球からの距離は、地球〜月間の距離の5倍以上に相当する200万kmで、衝突する危険性はありません。
2001 FO32は最接近時、多くの小惑星が接近する際の速度よりも速い時速約12万kmで通過します。2001 FO32は810日(約2年3か月)で太陽を1周します。公転軌道は39度傾いており、また大きくゆがんだ楕円になっています(離心率が高くなっています)。その軌道を公転する際、2001 FO32は太陽に近づくと速度を増し、遠ざかると減速します。
大きな小惑星としては、2020年4月に小惑星1998 OR2が地球に接近しました。2001 FO32は1998 OR2よりもやや小さいものの、地球からの距離は3分の1ほど近いところを通過します。
今回の接近に際して、サイズや明るさなどをより正確に把握するべく、ハワイ、マウナケア山頂付近にあるNASAのIRTF(赤外線望遠鏡施設)などでの観測が予定されているとのことです。
Image credit: NASA/JPL-Caltech
(参照)JPL