稀な分子が放つ電波を観測し、原始惑星系円盤のガスの量を正確に求めた

上の画像は、HD163296という若い星を取り巻く原始惑星系円盤をアルマ望遠鏡がとらえたものです。赤は多重リング構造をした塵、青は12C16Oという一般的な一酸化炭素分子、緑は13C17Oという希少な一酸化炭素分子の分布を示しています。

13C17Oが放射する電波は極端に弱く、原始惑星系円盤で検出されたのはこの観測が初めてでした。13C17Oが検出できたことで、原始惑星系円盤のガスの量を従来よりも正確に求めることができるようになりました。その結果、従来の想定よりも2~6倍ほどガスが多く存在していることが分かりました。

これまでの観測から、系外惑星の質量分布を説明するには、惑星の材料になる円盤に含まれるガスと塵の量が少ないという問題が指摘されていました。他の天体でもHD163296と同じように多くのガスが隠されているとすれば、ガスの質量を少なく見積もっていただけなのかもしれません。

円盤のガスの質量は通常、豊富にある一酸化炭素分子が放つ電波を観測することで推定されます。ただ、内側にある一酸化炭素分子が放った電波を、外側の一酸化炭素分子がブロックしてしまい、地球まで届かないことがあります。そのため円盤の総質量が少なく見積もられてしまうのです。希少な分子からの電波をとらえることで、円盤のガスの量をより正確に見積もることができたのです。

Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), University of Leeds

https://alma-telescope.jp/news/disk-201910


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