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この画像に映っているのは、大マゼラン銀河にある若い星団NGC 2040です。星の集団をバラのような星雲が取り囲んでいます。大マゼラン銀河は約16万光年離れたところにあります。画像は南米チリにあるジェミニ南望遠鏡で撮影されました。ジェミニ南望遠鏡は、口径8mの主鏡をもつ巨大な光学/赤外線望遠鏡です。
NGC 2040はOBアソシエーションとして知られており、大質量星(O型星、B型星)が10個以上含まれています。アソシエーションとは、散開星団よりも広がって存在する星々の集まりのこと。OBアソシエーションに存在する大質量星の寿命は短く、最後には超新星爆発を起こして一生を終えます。爆発で放出される物質は、次の世代の星の材料になります。太陽を含む天の川銀河の多くは、NGC 2040のようなOBアソシエーションで形成されたと考えられています。
大質量星の周りの星雲は、NGC 2040にある水素原子や酸素原子が、大質量星からの紫外線によって励起されることで輝いています。層状に見える構造は、すでに死んだ星の残骸です。それらは超新星の衝撃波や、大質量星からの恒星風によって形成されました。
(参考)「大マゼラン銀河」記事一覧
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: J. Miller & M. Rodriguez (International Gemini Observatory/NSF NOIRLab), T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), M. Zamani (NSF NOIRLab)
(参照)NOIRLab