ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた大マゼラン銀河の球状星団NGC 1850 35 Years of Hubble Images(Year 33) | アストロピクス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた大マゼラン銀河の球状星団NGC 1850 35 Years of Hubble Images(Year 33)

この画像は、大マゼラン銀河にある球状星団NGC 1850をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。多くの球状星団は年老いた星の集まりですが、NGC 1850は年齢が約1億歳と比較的若い球状星団です。若い星々からなるそのような球状星団は、天の川銀河には存在しません。

ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月24日に打ち上げられました。NASA(アメリカ航空宇宙局)はハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年(2025年4月24日)に向けて、これまでハッブルが撮影してきた画像から、「35 Years of Hubble Images」と題して各年1枚ずつ選んで紹介しています。NGC 1850をとらえたこの画像は33年目の画像として紹介されています。

NGC 1850は太陽の約6万3000倍の質量を持ち、核の直径は約20光年です。画像に青く映るガス雲は、超新星爆発によって生じたものだとみられています。NGC 1850では、約200個の赤色巨星が存在しているほか、2021年にはブラックホールが検出されました。

NGC 1850で誕生した第1世代の星は、ガスや塵などを周囲の宇宙に放出したと考えられています。星団の密度が非常に高く、放出された物質は星団の重力によって近くにとどまりました。また周囲から水素やヘリウムのガスも引き寄せられ、それらのガスがいっしょになって第2世代の星を形成し、この球状星団の密度と大きさを増大させたと考えられています。

(参考)「35 Years of Hubble Images」記事一覧

Image Credit: NASA, ESA and P. Goudfrooij (Space Telescope Science Institute); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)

(参照)NASA(1)(2)