ハッブル望遠鏡がとらえた球状星団M19 銀河中心の巨大重力で引き伸ばされている!?

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M19です。M19は、へびつかい座の方向、約2万8500光年の距離にあります。見かけの明るさは7.7等、1764年にシャルル・メシエによって発見されました。

球状星団は数万から数百万個の星からなります。球状星団に属する星は共通重心のまわりを周回するため、星団全体の形はふつう球状になります。ただM19などいくつかの球状星団は、わずかに細長い形をしています。M19は、天の川銀河の中心から約6500光年しか離れていません。そのため銀河中心の巨大な重力と潮汐力によって引き伸ばされている可能性があります。

冒頭の画像は紫外線、可視光、近赤外線でとらえた画像を合成したものです。2023年3月21日にNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで公開されました。ハッブル宇宙望遠鏡のデータがないわずかな領域(画像右側中央の細長い領域)は、南米チリ北部のセロ・トロロ汎米天文台にあるビクター・M・ブランコ4m望遠鏡の画像で埋められています。

Image Credit: NASA, ESA, and C. Johnson (STScI); Image Processing: Gladys Kober

(参照)NASA