スターバースト銀河M82の中心領域をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がNIRCam(近赤外線カメラ)でとらえたスターバースト銀河M82です。「葉巻銀河」とも呼ばれるM82は、おおぐま座の方向、約1200万光年の距離にあります。

M82は比較的小さな銀河ですが、天の川銀河の5倍の明るさがあり、また天の川銀河の10倍の速さで星が形成されています。特に銀河の中心部で予想よりもはるかに速い速度で星が形成されています。

M82での爆発的な星形成は、近くにある渦巻銀河M81との相互作用によって引き起こされたとみられています。M81との相互作用によりM82の銀河中心へガスが流入し、そのガスが星の材料となったのです。M82には「超星団」と呼ばれるタイプの巨大な星団が100以上も存在します。その中には形成途中のものもあり、それらは高密度の塵やガスに覆われています。

ウェッブ望遠鏡がM82をとらえた画像は2024年にも公開されましたが、今回公開された画像は、以前のものより広範囲が映っています。冒頭の画像ではM82の銀河円盤が縦に見えており、左右に赤やオレンジ色の塵の雲が広がっています。

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中間赤外線の画像

こちらはウェッブ望遠鏡がMIRI(中間赤外線装置)で撮影したM82の画像です。星はほとんど映っておらず、画像の大部分は温かい塵とPAH(多環芳香族炭化水素)と呼ばれるすすのような有機分子の雲が見えています。

ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2025年6月30日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。

(参考)
スターバースト銀河M82の中心部をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測
「ウェッブ望遠鏡Picture of the Month」記事一覧

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Bolatto

(参照)ESA/Webb