準惑星ケレスの明るい点は地下からの塩水が原因だった!

火星と木星の間には、小惑星がたくさん公転する小惑星帯があります。直径約950kmの準惑星ケレス(セレス)は、小惑星帯で最大の天体です。ケレスではNASA(アメリカ航空宇宙局)のドーン探査機が、2015年から18年まで周回しながら観測を行いました。

ドーン探査機が2015年に到着する以前から、ケレスに明るい領域があることは知られていました。ケレスを間近から観測したドーン探査機は、ケレスのオッカトル・クレーター内にある反射率の高い2つの領域をとらえ、それらはのちに「ケレアリア・ファキュラ(Cerealia Facula)」「ウィナリア・ファキュレ(Vinalia Faculae)」と名付けられました。なお「Facula」とは明るい領域という意味です。

この画像はドーン探査機がとらえたケレスです。明るい点が見られるクレーターが、直径92kmのオッカトル・クレーター。

こちらはオッカトル・クレーターのクローズアップ画像です。クレーター中央がケレアリア・ファキュラ、右側がウィナリア・ファキュレです。

それらの明るい領域は、ほとんどが炭酸ナトリウムの堆積物であることが判明しました。液体が表面まで浸透して蒸発し、反射率の高い塩を残したのだろうとみられていましたが、その液体がどこから来たのかは分かっていませんでした。

ドーン探査機のデータを分析した結果、ケレスの地下に塩分を豊富に含む水が大量にたまっており、液体はそこから来たものだと結論づけられました。深さ約40km、幅数百km以上におよんで水がたまっているとみられています。

ケレスの表面には、小さな隕石がしばしば衝突しています。その破片などにより、時間が経つにつれて明るい部分は暗くなっていくはずです。明るいまま残っているということは、それらができてからそれほど時間が経過していないことを示しています。研究の結果、明るい領域が200万年未満の若いものであることが確認されただけでなく、これらの堆積物を形成する地質活動が進行中の可能性があることも判明しました。

ケレスの表面では水を含む塩は数百年以内に脱水しますが、ドーンの観測からはまだ水が残っていることが示されています。これは、オッカトル・クレーターの領域の下に液体が存在すること、そして地下から表面に物質が移動していることを示しています。

「ケレアリア・ファキュラの大規模な堆積物では、塩の大部分は、約2000万年前にクレーターを形成した衝突の熱によって融けた、表面のすぐ下のぬかるんだ領域から供給されました」とドーンの主任研究員であるCarol Raymond氏は語っています。衝突の熱は数百万年でおさまりましたが、衝突によってできた亀裂が地下の水がたまっているところまで達し、塩水を表面に浸透し続けることができたとのことです。

冒頭の画像はオッカトル・クレーターの擬似カラー画像で、中央から手前側にケレアリア・ファキュラが映っています。地下から染み出した塩を含んだ液体が赤みを帯びてみえています。

木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスなど、地下に海があるとみられる天体は、巨大惑星の潮汐力によって内部が加熱されていると考えられています。しかしケレスにはそのような熱源はありません。今回の発見は、衛星ではない大きな氷天体にも活動的なものがあることを示唆しています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA

(参照)NASA