小惑星ベンヌの表面は「ボールプール」のようだった!

NASA(アメリカ航空宇宙局)の小惑星探査機オシリス・レックスは2020年10月、小惑星ベンヌ(ベヌー)からサンプル採取を行いました。その際に収集されたデータの分析から、ベンヌの表面に関して驚くべき事実が明らかになりました。

ベンヌ表面にある岩石は非常に緩く結びついており、仮に人が足を踏み入れたとしたら、ボールプールに入った時のように、ほとんど抵抗を感じないだろうというのです。

サンプル採取で予想外のクレーターが形成

ベンヌ表面に降下中(左)と、ロボットアームが接地した瞬間(右)の画像。オシリス・レックスは2020年10月20日にサンプル採取を行いました。
ベンヌ表面に降下中(左)と、ロボットアームが接地した瞬間(右)の画像。オシリス・レックスは2020年10月20日にサンプル採取を行いました。

サンプル採取の衝撃により、「ナイチンゲール」と名付けられた採取地点には直径8メートルのクレーターが残りました。事前に行われた地球上でのサンプル採取の試験では、表面に窪みができることはほとんどなかったのにもかかわらずです。

そこでサンプル採取前後のナイチンゲールの画像を調べて破片の量を分析しました。また着陸中の探査機の加速度データも調査しました。そのデータは、オシリス・レックスがベンヌ表面に接地したときの抵抗が非常に小さかったことを示していました。

それらの画像と加速度情報に基づき、ベンヌの密度と凝集力(cohesion)を推定するためコンピューターシミュレーションが繰り返されました。その結果、ベンヌ表面が「ボールプール」のようだということが判明したのです。

ボールプールでは、プラスチック製のボール自体は固いものですが、ボールは互いにすべりあい、ボールプールに入った子供たちのまわりで流体のように振る舞います。ベンヌ表面も、接地した際の力に対してまるで流体のように変形していたのです。

Image Credit: NASA's Goddard Space Flight Center

(参照)NASA