ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたこの画像の右側に、2つの渦巻銀河が重なるように映っています。これらの銀河はあわせて「Arp 122」と呼ばれています。銀河円盤が正面を向いているのは渦巻銀河LEDA 59642、形がゆがんでいるのは渦巻銀河NGC 6040です。Arp 122はヘルクレス座の方向、地球から約5億7000万光年の距離にあります。
2つの銀河は衝突しつつあります。このような銀河同士の衝突・合体は、非常にゆっくりとした時間スケールで進行します。たとえば私たちのすむ天の川銀河は、将来的にアンドロメダ銀河と衝突すると考えられていますが、実際に衝突するまでには約40億年かかります。(参考記事)天の川銀河とアンドロメダ銀河は40億年後に衝突、70億年後には1つの楕円銀河に
銀河は恒星とその周りを公転する惑星、そのほかの塵やガスで構成されています。銀河どうしが衝突すると、それらの構成要素にはたらく重力が大きく変化する可能性があります。やがて衝突する2つ(またはそれ以上の)銀河の構造が完全に変化し、最終的に合体して一つの銀河になることもあります。
なお画像左下に見えているのは、Arp 122が属する銀河団の中心的な存在である楕円銀河NGC 6041です。
画像はハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年1月8日に公開されました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Dalcanton, Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA
Acknowledgement: L. Shatz
(参照)ESA/Hubble