この画像は、南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)で撮影されたもので、地平線付近から天に向かうかのように天の川が伸びています。そして天の川は、「グレート・リフト(巨大な裂け目)」と呼ばれる塵の帯によって、まるで左右に分断されているかのように見えています。
天の川銀河にあるのは星だけではありません。そこには大量の星間塵も存在しています。グレート・リフトだけでも太陽100万個に相当する量の塵が含まれています。塵は、一つ一つはとても小さなものですが、大量に集まると星々からの光を隠してしまうのです。
この画像にはまた、天の川と交差するように、もう一つの塵の「雲」も見えています。画像左上から斜めに、かすかに白っぽく見えているのは「黄道光」と呼ばれるもので、太陽系内を漂う塵が太陽光を散乱して光っています。
画像左下には、大マゼラン銀河と小マゼラン銀河も見えています。
画像はNSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から、2024年1月3日に「Images of the Week」として公開されました。
Image Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/T. Slovinský
(参照)NOIRLab