この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影したもので、棒渦巻銀河NGC 1559が映っています。NGC 1559はレチクル座の方向、約3500万光年の距離にあります。NGC 1559の渦状腕では、活発な星形成が起きています。
画像はウェッブ望遠鏡のMIRI(中間赤外線装置)とNIRCam(近赤外線カメラ)で撮影された画像を組み合わせたものです。赤っぽく見えているのがMIRIの画像で、主に星形成の材料にもなる塵粒子からの赤外線をとらえています。青っぽく見えているのがNIRCamの画像で、こちらは主に星からの光がとらえられています。NIRCamではまた、若い星の周囲にある電離した星雲からの光もみえています。
NGC 1559をとらえたこの画像は、「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプログラムの一環で撮影されました。PHANGSでは、アルマ望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡などでとらえられた55個の銀河をウェッブ望遠鏡で観測しようとしています。
夜空では大マゼラン雲の近くにあるように見える
夜空ではNGC 1559は、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)である大マゼラン雲のすぐ近くに見えます。もちろん地球からの距離が異なるので、宇宙の中で両者が近くにあるわけではありません。それどころか実際にはNGC 1559は、近くに他の銀河が存在していない孤独な銀河なのです。
ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2024年2月27日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。
Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Leroy, J. Lee and the PHANGS Team
(参考)ウェッブ望遠鏡Picture of the Month
(参照)ESA/Webb