望遠鏡ドームの頭上に輝く天の川と「石炭袋」 | アストロピクス

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望遠鏡ドームの頭上に輝く天の川と「石炭袋」

望遠鏡の頭上に天の川が縦に流れ、その天の川の中に「石炭袋(コールサック)」と呼ばれる暗黒星雲が映っています。写真に映っているドームは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台にあるVLT(超大型望遠鏡)の補助望遠鏡(AT)のものです。パラナル天文台は南米チリのアタカマ砂漠にあります。ドームの手前に人が立っており、シルエットになっています。

ESOのVLTは、口径8.2mの4台の巨大なユニット望遠鏡(UT)と、口径1.8mの4台の補助望遠鏡からなります。補助望遠鏡は可動式で、観測の必要に応じて位置を変更することができ、超大型望遠鏡干渉計(VLTI:Very Large Telescope Interferometer)の一部として機能します。

石炭袋は塵が多いため、奥にある星からの可視光をほとんど吸収・散乱してしまいます。しかし塵を透過する赤外線で見ると、それらの星を見ることができます。

ドームのすぐ左上に見える2つの明るい星は、ケンタウルス座α星、β星で、石炭袋のそばには南十字も見えています。

写真は、2021年10月11日にリリースされたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: Gideon Yoffe/ESO

(参照)ESO