木星と土星はおよそ20年に1度、見かけ上とても接近します。2020年はその年にあたり、夏ごろから二つの惑星が近くに接近して見えていました。また今年は7月14日に木星が衝、21日に土星が衝となっており、どちらも夜空で非常に明るく輝いていました。なお衝とは、木星や土星など太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。
木星と土星は、日を追うごとに見かけ上しだいに近づいてきていました。その二つの惑星が、12月中旬から下旬にかけて非常に接近します。国立天文台によると、木星と土星が最も接近するのは12月22日3時ごろです。ただ日本ではその時間帯、二つの惑星は地平線の下にあるために見ることができません。木星と土星が最も近づいた状態を日本から見られるのは21日の日の入り後となるとのこと。満月の見かけの直径の約4分の1(約7分角)まで接近します。
APOD(Astronomy Picture of the Day)によると、木星と土星がこれほど近づいて見えたのは1623年以来とのことです。日本でいえば江戸時代の初めごろ。一方、アメリカ、ライス大学のPatrick Hartigan教授によると、夜空に見える木星と土星が今回よりも近づいたのは、1226年3月4日まで遡らなければならないとのこと。日本では鎌倉時代になります。また次に木星と土星がこれほど接近するのは2080年3月で、さらにその次は2400年以降になるとのことです。
クリスマスの直前、日の入り直後の南西の低空で繰り広げられる木星と土星による天体ショーをご覧になってはいかがでしょうか。
(参照)国立天文台、APOD、Rice University