惑星状星雲になる前の天体「卵星雲」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 | アストロピクス

惑星状星雲になる前の天体「卵星雲」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、「卵星雲」と呼ばれる原始惑星状星雲CRL 2688が映っています。卵星雲は、はくちょう座の方向、地球から約1000光年の距離にあります。ハッブル望遠鏡により、その複雑な構造が映し出されています。

太陽程度の質量の星は年老いるとふくらんで「赤色巨星」になります。やがて星の外層のガスが宇宙空間へ放出されていきます。中心に残った星の“芯”からの紫外線により、周囲に広がったガスが電離して輝く天体が惑星状星雲です。

画像に映る卵星雲は、その原始惑星状星雲になる前段階の天体です。

星雲の中心には塵の雲がみられ、その周囲は同心円状のリングに囲まれています。中心星は塵の雲に隠れて見えていません。周囲のリングは、数百年ごとに起きた爆発的な活動によって中心星から噴出したガスによって形成されました。

中心星はそれらのガスを電離させるほど高温にはなっていません。塵の雲から両方向に漏れ出した光がガス雲で反射して、水面の波紋のような外観を作り出しています。塵の雲の中からは、高温の分子状水素のアウトフローも噴き出しており、それは光のビームの根元部分に映っています。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、2026年2月10日にハッブル望遠鏡やNASA(アメリカ航空宇宙局)のWebページで公開されました。

(参考)
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Image Credit: ESA/Hubble & NASA, B. Balick (University of Washington)

(参照)ESA/HubbleNASA