
2024年12月に発見され、一時期、2032年12月に地球へ衝突する確率が1〜3%あるとされた小惑星2024 YR4について、NASA(アメリカ航空宇宙局)は2月24日、2032年以降に2024 YR4が地球に重大な脅威をもたらすことはないと結論づけたと発表しました。
NASA・JPL(ジェット推進研究所)のCNEOS(地球近傍天体研究センター)によれば、2月25日朝(日本時)現在、2024 YR4が2032年12月22日に地球へ衝突する確率は0.0017%、それ以降を含めても0.0027%となっています。
なおNASAによると、月への衝突確率は現時点で1.7%あるとのこと。2024 YR4の大きさは40〜90mと推定されていますが、3月にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で2024 YR4を観測し、より正確なサイズを推定できるようになる見込みです。
発見当初の衝突確率はどうして上昇するのか
2024 YR4の地球への衝突確率については、一時期、数値が上昇したことが話題になりました。発見されたばかりのころは、衝突確率が上昇することは珍しいことではありません。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)が以前公開したこの動画は、そのことを示したものです。
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この画像は動画のスクリーンショット(以下同じ)ですが、横方向の紫色の部分が、小惑星が通過すると予想される範囲を示しています。発見されたばかりのころは軌道が不確かなため予想される範囲が広くなります。この画像の時点では衝突確率が仮に10%となっています。
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観測が進むと、小惑星が通過すると予想される範囲が狭くなります。ただその範囲の中に地球が含まれていると、通過予想範囲が狭くなったぶん、衝突確率が上がります。この画像では15%にアップしています。
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小惑星の軌道が正確にわかって小惑星の通過予想範囲が絞り込まれ、その範囲から地球が外れると衝突確率が0になります。