12月に発見された小惑星、わずかながら8年後に地球衝突の可能性 | アストロピクス

12月に発見された小惑星、わずかながら8年後に地球衝突の可能性

2024年12月に新たに発見された小惑星「2024 YR4」が、2032年に地球へ衝突する可能性がわずかながらあることがわかりました。この小惑星は直径が40〜100mと推定されています。このサイズの小惑星は、平均して数千年に1度、地球に衝突しています。

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2032年12月22日に衝突する可能性

2024 YR4は2024年12月27日、ATLAS(小惑星地球衝突最終警報システム)の南米チリにある望遠鏡で発見されました。2032年12月22日に地球へ衝突する可能性があり、その衝突確率は、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると1.2%(1月29日現在)、NASA(アメリカ航空宇宙局)のCNEOS(地球近傍天体研究センター)によると1.7%(2月2日現在)と推定されています。

なお小惑星の地球への衝突確率は、発見当初は多少高くても、追加の観測によって軌道が正確にわかるにつれて下がっていくケースが多いです。2024 YR4についても今後観測が続けられ、正確な軌道が求められていくことになります。

2024 YR4の軌道。JPL Solar System Dynamicsより。
2024 YR4の軌道。JPL Solar System Dynamicsより。

2024 YR4の公転軌道は細長い楕円軌道になっています。NASA・JPL(ジェット推進研究所)の小天体データベースによると、近日点(太陽に最も近づく点)は約0.85au、遠日点(太陽から最も遠ざかる点)は約4.23auで、約1478日(約4.05年)で太陽の周りを公転しています。

2032年の衝突の可能性を排除できるようになる前に、2024 YR4が遠ざかって観測できなくなってしまうと、2028年に再び観測可能になるまで衝突の可能性が残ったままになるかもしれません。

(参考) 「地球近傍天体」記事一覧

Image Credit: ESA-Science Office

(参照)ESAPlanetary Defense - NASA blogCNEOSJPL Solar System Dynamics