ガスが剥ぎ取られつつも星形成が活発な矮小渦巻銀河IC 3476 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた矮小渦巻銀河IC 3476です。IC 3476は、かみのけ座の方向、約5400万光年の距離に位置しています。一見すると穏やかな銀河に見えるかもしれません。ただ実際には、「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」と呼ばれる現象によって、銀河内で激しい星形成が発生しています。

銀河団内の銀河同士の間にはガスが存在しています。IC 3476が銀河団内を動くとき、そのガスの圧力を受けます。そしてその圧力によって、銀河内のガスがはぎ取られるのが「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」です。

銀河内のガスは星の材料です。その材料がはぎ取られると、星形成が穏やかになったり、完全に停止したりします。ただ圧力によって銀河内のガスが圧縮されることもあります。そのような場所では、星形成が促進される可能性があるのです。IC 3476では、そのようにして活発な星形成が生じていると見られています。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年2月19日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Sun

(参照)ESA/Hubble