ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が天王星をとらえた新たな画像が公開されました。NIRCam(近赤外線カメラ)でとらえたその画像には、淡いリング(環)がはっきりと映り、またいくつもの衛星も映っています。画像では、天王星に最も近い非常に淡いリングであるゼータリングも見えており、リングの外側には9個の衛星が青い点として見えています。
2023年初めに公開された、ウェッブ望遠鏡がとらえた天王星画像は、赤外線の2波長でとらえた画像を合成したものでしたが、今回公開されたのは4波長でとらえた画像を合成したもので、より詳細が映し出されています。
(参考記事)ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた天王星
北極冠が明るく輝く
天王星は、木星の外側を公転する太陽系第7惑星で、最果ての海王星とともに「巨大氷惑星」に分類されています。太陽から約28億7000万km(19.2天文単位)のところを約84年かけて公転しています。
画像で明るく見えているのは季節的な北極冠です。明るく白い内側の極冠と低緯度地域の暗いすじが見えており、2023年初めに公開された画像と比べると、細部がより詳細に見えています。極冠の南側には、明るい嵐もいくつか見られます。
天王星は、自転軸が約98度傾いており、ほぼ横倒しの状態で公転しています。そのため84年間のうち4分の1(約21年間)は、南北どちらか一方の極に太陽光が当たり、もう一方の極は暗闇に包まれます。
極冠は、夏至に近づくにつれて太陽光がさらに当たるようになると、より目立つようになります。天王星は2028年に夏至を迎えますが、そこに向けて天王星の極冠や嵐がどのように変化するのか、注目されています。
こちらは、より広い範囲をとらえたものです。冒頭の画像に映る9個を含め、14個の衛星が映っています。なお天王星では全部で27個の衛星の存在が知られています。
Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI